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ホノルルマラソン推進委員会

​2006嫌いな事への挑戦のスタート

アクターズ合宿の雪中マラソンで、GOP(重量オーバープロジェクト)メンバーの女子中高生と一緒に走ってみた。
『あらあら私、けっこういけるじゃない?』人生は、なんでも勘違いから始まるもの。 すっかり勘違いを逆手にとって、年始の挨拶に、『今年、わたくし松川は、ホノルルマラソンに出まーす』なんて、調子いいこと言ってスタートした今年の年始が懐かしい。
偶然にもテレビで目にした2005年のホノルルマラソンのナビゲーターが、『坂口憲二』だったの衝撃はかなり大きかった。
単純に『いいなあー。坂口憲二♥♥♥』と思った。

そうして半年の月日があっという間に流れた。
正月明けに自分がそう言った事もすっかり忘れていた6月。同い年らしいアクタ—ズスタジオ徳島校の青江社長が札幌にやってきた。

現在もモデルで活躍しているほど細くて美しい女性だ。その彼女が、世間話をしながらこう言った。『私、歩くのが苦手で、

すぐにタクシーに乗ってしまうの。』そう言ったのも束の間、数分後には『私ね毎年、マウイマラソンに出てるの。

マウイマラソンはいいわよ~』と全く矛盾した話をした。
なになにマラソンだって~?
『今年、わたくし松川は、ホノルルマラソンに出まーす』この言葉が、頭の中にフィールドバックしてきた。

会社のすぐそばに、SPARというコンビニがある。ホワイト急便というクリーニング屋さんがある。歩いて1分くらいだろうか。私は毎度、車で行こうか、歩こうかと、真剣に迷いながら結局、車で行く。歩いて5、6分かかる地下鉄の駅までは、歩くなんていう発想もなければ、また、そんな遠距離は知人さえも絶対に歩かせないというポリシーをもって生きている。
歩く距離ではないと思い込んでいる私は、『お天気がいいので歩きたい』と相手に言われれば、『他のところで歩いてください』と言って絶対に歩かせない。地下鉄までの道を後から車で追っかけてでも送っていくという、この時代に稀にみるお節介者なのである。

走るための目的と作戦と鉄則

どうして走ろうと思ったのか?
そこには、こんな目的がある。自分に厳しくして、他人にもっと厳しくしよう!(という企み)。
もし、走り切ったら、これからは自由が待っている!ような(錯覚)。
自分を辛くする事で、辛い思いをしている人への励まし(真剣)。
30代最後に『やれるだけの事をやって』の40代への突入覚悟(あ~嫌だ)
30代振り返っての懺悔の気持ち(うふふ)
それと、今年の夏にトラックにはねられ、頭蓋骨骨折しながらも奇跡の生還をしたスタジオ生のみっちゃんに、『完走メダルをあげたい』という(自己満足)気持ちが途中から加わった。ただ、嫌いな事をやり始めるのだから、できるだけ大きな飴玉を自分に与えなければ(走れるわけがない)。しかも、走るだけの(地味なスポーツ!)
やっぱり、まずは王道である(ホノルルマラソン)に出なければ。。。
そして、そこから逃げられないよう、自分を縛るかのように選んだ作戦は?
『有言実行』だった。
性格的には陰で努力して、やり遂げた後に『実は私、○○○○をやったんです。』と言うタイプ。さらに、『え~?なんで教えてくれなかったの?』なんて言われることに快感を覚えるタイプの私が、今回だけは、会う人会う人に言うだけ人に言ってまくった。『私ね、今年、ホノルルマラソンに出るの!(どうだ驚いたか!)』
当然ながら、普段の私の生活からしても、周囲の驚きと言ったら半端ではなかった。その話のネタだけで1時間はビールが飲めた。なんせ、どうしてそんなことになったのか、質問攻めに合うわけである。そこまで話しておきながら、行く直前まで冗談話だと思っていた人もいる。なんせ私は、Tシャツはおろか、スウェット1枚満足に持っていないのだから。
走るなんて無縁も無縁。一番困ったのは練習時間をあみ出すことだった。そこで、考えた作戦は?
『そのままで。。。』

なんせ、休日なんてろくにありゃせんのだから『仕事を兼ねて走る!』いちいち着替えず、靴だけ履き替えて『ワンピースのまま走る!』横断歩道で車を停めているときに、ワンピースに運動靴姿でフロントガラスの向こうをガバガバ走っていく女を想像できてないわけじゃない。いや、むしろ100パーセント鮮明に想像できる。だから『私を見ないで』と念じながら走り抜ける。しかし、この方法は、なかなか自分なりにはイケテいた!こうもしなければ、走る練習など出来なかった。10分100円のジョイフットさえ私には越える力が身に付いていた。
『私ってイケテル~!』と一番に思ったのは、仕事で打ち合わせに行った時のことである。
持ち物は、捨ててもいい袋に携帯と口紅、そしてジャージのみを突っ込んだ。服装は、ピンクのワンピースに運動靴姿。
打ち合わせ場所のグランドホテルには、少々恥ずかしかったが、目的達成のためには手段を選ばない。
打ち合わせ終了後は、トイレで着替え、袋をポイ。
邪魔になったワンピ−スを洗面台のところに広げ、そのワンピースの真ん中に携帯と口紅を置き、落ちないようにクルクルっと巻いた後、

それを首に引っかけひと縛り。手ぶらになったところで、ひたすたら会社まで走ったわけである。
これは私の『根性とアイディアの賜物』だと、今でも自分を絶賛している。

また、マラソン練習の行き先には必ず、御褒美を与えるのは鉄則である!
居酒屋、スーパー銭湯、時には映画館(汗だくで映画ミル)。さもなければ、誰かに車で遠くまで行ってもらい、

そこで降ろしてもらって、会社まで戻る。自分でやってて、私は犬か!と思うが、そうするしかない。とにかく目的なしでは走れない。
トラックを何週するとか、そういう練習はやる気にならない。それは、走る事が好きな人だけがやれる技だと思っている。

ゆえに、自分のマラソン練習には、必ず他人が巻き込まれる。「人+迷惑=頑張れる」という方程式なのである。

しかし、最初は5分と体力が持たなかった。かなり走ったと思っても15分しか経っていないとか。

なんせ、中学校のマラソン大会以来、まじめに走った事がないのだから致し方ない。走るのが少しでも楽しいかも?

と思えるまでは、3週間はかかっただろうか。
そう、この言葉の通り、3週間後には「あれ?楽しいかも?」と、嘘でも思えたということなのである。

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